私は現在40歳になりますが、過去に3回、子宮外妊娠の経験をしました。
私の経験した、子宮外妊娠の症状については、こちらの記事に詳しく書きました。
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今日は、子宮外妊娠の手術は、どのような流れになるかを、わたしの経験を基に詳しく書いていきたいと思います。
1度目の子宮外妊娠手術~右卵管切除~
初めて子宮外妊娠を経験したのが26歳の時でした。
初めての妊娠に喜びを感じていました。
しかし、主治医の先生から告げられた言葉は、思いもよらない言葉でした。
当たり前に出産出来るものだと思っていたのに・・・
まさかお腹の赤ちゃんとさよならをするとは、思いもよりませんでした。
子宮外妊娠の可能性を告げられた診察日に入院する事に。
今の自分の状態が理解出来ず、不安しか感じられませんでした。
自分の身体には、痛みや出血などの症状が見られなかったので、子宮外妊娠していると言われても信じられない気持ちでいっぱいでした・・・。
入院をして、手術を行う予定は3日後です。
この時点では何の症状も無かったので、予定を組んでの手術の予定でした。
病院では、緊急以外は手術する曜日が決まっていたと思います。
痛みが出始めたのが入院して2日後の事でした。右下腹部にズキズキとした、今まで感じたことのない痛みがでてきました。
それが、唸る位の痛みに変わり、膣エコーでの診察の結果、右卵管からの出血が確認されました。
出血が酷くなると、卵管が破裂を起こし、母体が危険との事で緊急手術をすることに。
この時、夕飯を食べ終わった位の時間で、麻酔科の先生が不在のため、局所麻酔の開腹手術になりますと説明がありました。
夕飯を食べてしまっていたので、鼻から細い管を入れ、胃の内容物を注射器の様な物で吸引されました。
それがとても気持ち悪くて早く取って欲しいとお願いしましたが、結局手術が終わっても外されることはありませんでした。
手術台まではストレッチャーで運ばれました。
その間、何をされるかわからない恐怖と、お腹の赤ちゃんとお別れしなくては いけないんだという辛い気持ちで涙が止まりませんでした。
局所麻酔は意識のある状態で行われます。
脊髄より麻酔注射をし、胸の辺りまで麻酔が効いてきました。
お腹を切られている痛みはもちろんありませんが、引っ張られたり皮膚がチリチリしている感覚はありました。
意識はありますので、先生同士の会話や、手術中にかかっていた音楽も聴こえます。
2時間位の手術でした。
その間、色々な事を考えました。
どうしてこんな事になってしまったのか、旦那さんや家族に心配を掛けてしまった。
お腹の赤ちゃんは、私をお母さんに選ばなければ、この世に産まれて来ることが出来たのに・・・。
自分を責めました。
手術後、1日目はトイレにも行けない状態で、身の回りの事は全て看護師さんがしてくれました。
2日目には歩行訓練がありました。
開腹しているので、お腹に力が入らず、痛みもあるので、点滴のスタンドを杖にして前かがみにしか歩けない状態でした。
普通に歩行出来る様になったのは、手術から1週間後位だったと思います。
その間はお腹に力を入れる行為(トイレで座ったりする事)が辛かったです。
周りの方々の支えもあり、精神的に回復する事には時間がかかりましたが、抜糸10日程で退院する事が出来ました。
2度目の子宮外妊娠手術~左卵管切除~
1度目の子宮外妊娠の手術から1年後、27歳の時、2度目の妊娠が判りました。
1度目の不安があったので、妊娠検査薬で陽性反応を確認した後、すぐに主治医の先生に連絡を取り、診察してもらうことになりました。
先生から、1度目の子宮外妊娠手術後に言われていた事がありました。
と・・・。
少し希望を持って臨んだ妊娠でした。
奇跡が起きたら・・・そう思っていた妊娠も子宮外妊娠となってしまったのです。
即日入院となりました。
これからこういう手順で手術を行います。という説明も耳にも頭にも入らない状態でした。
悲しみがどんどん現実のものとなって押し寄せてきました。
そして、左卵管への着床が確認されました・・・。
入院後、食事も喉を通らず、水分も摂取出来ない私。
主治医の先生が、
と言われました。
私の身体には痛みも無く、様子を見ながらの入院だったので、手術の日程は決まっていませんでした。
先生は、わたしの精神状態と卵管破裂の可能性がある事を考えて、緊急手術を決めたようでした。
前回と同じ局所麻酔による開腹手術でした。
今回は何も食べていない状態だったので、鼻から管を入れる事はありませんでした。
でも、前回より精神的にやられてしまい、涙が止まらず嗚咽して泣いていました。
悲しみに押しつぶされ、もう、自分が居なくなればいいのに・・・。
そんな事すら思ってしまう状態でした。
この時、先生に左卵管が少し残せそうです。と言われましたが、私は取ってしまって下さいとお願いしました。
でも、先生の判断は、正常な機能はしないと思うけど、もともと身体にあるものは残しておいた方が良い。
との事で、少しだけ残しておいてもらうことにしたのです。
手術中は心の余裕はありませんでしたが、
あー、今切られてるな。
今お腹洗っているな。
などの感覚はありました。
痛みは無いけど、触れられている感覚があるという感じ。何とも表現が難しいのですが・・・。
手術時間は2時間位だったと思います。
手術後は前回の経験もあり、どのような動作が痛いのか、どのような体勢が楽なのか判っていたので、身体の回復にはそんなに時間がかかりませんでした。
心の回復は出来ないまま、抜糸した次の日に退院となりました。
入院から10日くらいでした。
3度目の子宮外妊娠手術~突然の出来事~
この記事を書いている3カ月前の出来事です。
もう卵管も機能しないし、妊娠はしないだろう。と思っていました。
まさか、残っている左の卵管に着床するとは思ってもいませんでした・・・。
いつも来るはずの生理が遅れ、妊娠検査薬で陽性ラインがでました。
嬉しい!・・・そういう気持ちにはなれませんでした。
自分が気を付けていなければいけない事なのに、また赤ちゃんを犠牲にしてしまうのか?
と後悔でいっぱいの気持ちになりました。
ごめんね・・・。
お腹に宿ってくれた子に謝る事しか出来ませんでした。
今回は近所の産科もある大きな総合病院にかかりました。
過去に2回の子宮外妊娠の経験がある事。
左の卵管が少し残っている事。
今、出血や痛みなどの症状が無い事を伝えました。
やはり、膣エコーで胎嚢が確認出来ませんでした。
1週間後、胎児が何処に着床しているかを確定する為、入院する事になりました。
検査の結果、機能しないはずの左卵管に着床が見られました。
また同じ事を繰り返してしまった。
ごめんね・・・。
本当にごめんね・・・。
今回の子宮外妊娠手術は計画的な手術だった為、詳しく説明がありました。
手術は全身麻酔による腹腔鏡手術という事でした。
全身麻酔での手術は初めてだったので、麻酔科の先生が詳しく説明に病室まで来てくれました。
全身麻酔のため、呼吸が出来ず、喉から管を入れて人工的に呼吸をさせます。
手術が終わり目が覚めた時に、管が入っている事でむせる可能性があります。
まれに、目覚めた時に気持ち悪くなり嘔吐する場合があります。
と言われました。
主治医の先生からは、
腹腔鏡手術は、お腹に3カ所1~2センチの穴を開けます。
そして、おへそからカメラを入れ、炭酸ガスを注入しお腹を膨らませて左卵管を切除します。
という説明がありました。
手術時間は3時間くらいでした。
目が覚めると喉に違和感を感じ、かなりむせました。
すぐに淡を吸ってもらい、咳は止まりました。
麻酔が完全に目覚めていない状態で病室に戻されました。
主人に何か話しかけられましたが、麻酔が完全に覚めていないので、何を話したかは記憶にありません。
完全に目が覚めたのはその日の夜中の事でした。
手術後2日目から歩行訓練がありました。
開腹手術に比べて、腹腔鏡手術は身体の負担が少ないので、3日目には普通に歩く事が出来ました。
抜糸の必要もなく、1週間程で退院しました。
これから子宮外妊娠の手術をされる方へ
この記事を読んで、不安になられる方もいらっしゃると思います。
身体で感じる痛みもあるかもしれません。
心が潰れるほど辛い経験になるかもしれません。
私は、周りにこんな経験をした人がいなかったので、誰にも相談出来ませんでした。
1人で考えたり悩んだりしている方に、子宮外妊娠の手術とはどういう手術になるのか?
少しでも参考になれたらいいなと思います。
私は、まだ最近の出来事で思い出しては涙を流しています。
最初の子は、無事に産まれていればもう中学生になっていたんだな・・・
なんて考えながら毎日を過ごしています。
自分に無理をせず、少しずつ前を向いていこうと思います。
私のお腹に宿ってくれた子供たちの為にも、笑顔のお母さんでいようと思います。
身体の痛みも、心の痛みもあなたのペースで無理なく少しずつ元気になりますように・・・。