「子供の前では、絶対に夫婦喧嘩はしない」
これは、私が子供を授かる前から心に決めていたことです。なぜなら、自分自身が子供のころ、これですごく嫌な思いをしてきたから。

気性の激しい父と、気の強い母
私の両親は、今も夫婦してます。結婚して44年でしょうか。でも、私が物心ついた頃から、両親はいつも喧嘩ばかりしていました。
父は、母に手を出したことはおそらく無いと思いますが、物にはバンバン当たっていました。
その辺にあるゴミ箱を蹴ったり、当時弟が習っていた剣道の竹刀を、思い切り床にたたきつけたり・・・。
母が用意した夕飯を、「こんなもの食えるか!!」と手で思い切り払いのけたこともあります。
すべて、私や弟が居る前で。
母も母で、そんな父に対してひるみもせず、父に怒鳴り返していました。
余談ですが、昔ある占い師に父と母が占ってもらった時、占い師さんがまず父をみて「ものすごく気の強い方ですね。」と言ったそう。そして、父の次に母がみてもらった時、「ご主人よりさらに気が強いですね。」と、占い師さんがびっくりしながら言ったそうです。
娘である私からみて、占い師さんが当時言っていたことは、大当たりです。
母の辛さ
いくら気が強い性格といっても、母にだって弱い心はあったに違いありません。
夫婦喧嘩で、母が家を飛び出して行ったこともあるし、泣きながら祖母に電話している姿をこっそり見てしまったこともありました。
夫婦喧嘩の原因
夫婦喧嘩をふっかけてくるのは、大概父の方でした。父は自分の思い通りにいかないとすぐに感情的に怒るんです。
昔は、自分がお腹が空いてて、なかなかご飯が出来ないと、それだけでキレることも多々ありました。
今思うと、母もあまり家に居たくなかったのだと思います。
内向的な父とは対照的に、すごく社交的な母は、パート先の友達や、趣味でやっていたママさんバドミントンなどの付き合いで、ちょくちょく家をあけることがありました。
それがまた、父は気に入らなくてそんな母に怒鳴り散らし、母も負けじと言い返す。
年末になり、忘年会シーズンになると、母が夜に出かけることが多くなるので、夫婦喧嘩も増えるんです。だから私は12月が嫌いでした。
クリスマスも自分の誕生日もある月なのに・・・。
夫婦喧嘩の原因が自分である時の罪悪感
夫婦喧嘩の原因が「私」の時も、何度かありました。
私は、小学校6年生の時に、いわゆる「お受験」をし、中学は私立に進学しました。このことに母はもともと反対でした。けど、見栄っ張りな父は、私を有名中学に進学させたかったのです。実際は父の望む中学は不合格でしたけどね
私自身の気持ちはどうだったのかというと、よくわかりません。
友達とお別れするのだって寂しいし、当時好きな子だっていました。みんなと別れてまで、私立の中学に行きたいとは思わなかったんじゃないかと思います。
ただ、記憶の中で当時のその気持ちが曖昧なのは、おそらく父から洗脳に似たような、「私立にいくとこんないいことがある」みたいなことを、毎日言われ続けたからではないかと思います。
とにかく、自分の進路のことで夫婦喧嘩されるのは、気がおかしくなりそうなくらい嫌でした。「私が居るからいけないんだ。お父さんとお母さんが喧嘩するのは私のせいなんだ。」とさえ、思えてくるのです。
これは、私の大学受験の時にもまったく同じことが起こりました。私を、有名大学に行かせたい父は私の偏差値より高い大学しか受験させてくれませんでした。
そんな父に母は、「受かるわけがない大学をなんで受けさすの!!いくらかかると思ってるの!!」と怒鳴る。父は、自分の見栄のためなのに「子供の可能性を潰すようなこと言うな!!」とまた怒鳴る。
そんな夫婦喧嘩を私本人の前でされるんです。
夫婦喧嘩が子供に及ぼす影響
小学生中学生の頃は、夫婦喧嘩が始まると怖かったので、2階に上がりビクビクしながら夫婦喧嘩を聞いていました。
高校生くらいになると、子供の私が「もう別れたらいいのに」とまで思うこともありました。母もきっと別れたかったのだと思います。でもそうしなかったのは、私や弟がいたからなんでしょうね・・・。
そんな風な家庭環境で育った私はどう成長したか。
・周りの人の機嫌が気になって自分の言いたいことがなかなかいえない。
・自分にやりたいことがあっても、それを犠牲にして相手に合わせる
・なにかを決める時、自分で決められない
・自分の好きなこと、やりたいことがわからない
・自分に自信がない
ざっくり書くとこんな感じです。
自分の人生なのに、親の為に勉強して、親に言われたとおりの道を進む。そうすと、自分は本当はどうしたいのか、自分は何が好きで何が嫌いなのか、わからなくなります。
考えようと思っても、長年両親の機嫌ばかりうかがいながら生きていくと、考える力が失われてしまうんです。
両親の不仲が子供に悪い影響を与えることについては、臨床領域で研究が行われていて、
低い自己評価や抑うつ、他社に対する基本的信頼感の欠如が生じる
といった、報告もされています。(引用元:日本社会福祉福祉学会)
だから、私は子供の前では絶対に夫婦喧嘩はしないと決めています。
でもこれは、子供に対する接し方にも同じことが言えますよね。
子供に感情的に怒っても、子供はビクビク怯えるだけで、なんで怒られたのかについて理解することは出来ないでしょう。
そして、それを繰り返すことで、子供はきっと大好きなお母さんやお父さんの機嫌をとるために、自分を押し殺してしまうかもしれません。
なんにしても、仲良し夫婦でいることは子供にとって嬉しい限りだと思います。子供が成長し、学校など外の場所でつらいことが起きた時に、子供にとって家の中は何があっても居心地良くて、あったかい場所でありたいと思います。
ついでに現在のわたしはというと・・・
子供は、親の影響を受けることは間違いないです。幼少期、どのような環境でどう育てられたかによって、子供の性格も変わってくるのは確かです。
両親が仲良しで、笑顔いっぱいの家庭で育った子供と、いつも夫婦喧嘩ばかりしてビクビク怯えながら育った子供に、将来性格の違いが出るのは目に見えます。
ただ、私はすべてを親のせいにはしたくないと今は思っています。(若い頃は心の中で親を責めてました。)
いくら親を責めたって、過去は変えられないし、なにも変わらない。そう気づいたから。
「自分を好きな自分」でいたいし、自分の意志で人生を選択しながら、幸せに楽しく生きたい!
そう思いながら、日々生きてます^^。